海外ヘッジファンド(解約)

海外投資

  海外ヘッジファンドSuperfund Green USD SICAV (以下Superfund)の解約手順の実例です。

本家のサイト = https://www.superfund.com/

購入手順

  執筆中。

解約手順

全体概要

  全体の流れは次の通りです。順に説明していきます。

手順

 (1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
 (2) パスポートのコピーの認証。
 (3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
 (4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
 (5) 入金を確認する。

必要な確認事項

・パスポートのコピーで必要な範囲(通常は1ページだけ)
・パスポートのコピーの認証は行政書士で良いか
・今回解約する口座番号
・振り込んでもらう銀行口座で、海外からの送金を受け取る条件。マイナンバーカードのコピーの提出が必要な場合あり。
・中継銀行がある場合には、その銀行名とSWIFTコード

必要な書類

・Redemption form (PDFで送られてくる)
・Individual Data Sheet (PDFで送られてくる)
・パスポートのコピーの認証
・認証した行政書士のライセンス

登場人物

カスタマーサポートへ連絡

手順

(1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
 (2) パスポートのコピーの認証。
 (3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
 (4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
 (5) 入金を確認する。

  web siteのCONTACTのアドレスに解約の意思を伝えます。筆者は、日本支社へ問い合わせしました(日本語OK)。でも、ここでは解約できないとのことで、カスタマーサポートのメールアドレスを教えてもらいました。
  次に、カスタマーサポート(英語)に問い合わせました。その返信にて、解約に必要な書類は3つ。
    Redemption form
    Individual Data Sheet
    Certified copy of a valid ID document → 実質パスポート一択
上2つは、PDFで送られてきました。
また、この際に、以下のことを確認しました。
    パスポートで必要なのは、写真、サイン、生年月日のページ
    パスポートの認証は行政書士で可。ライセンスの証明書を添付すること。

パスポートのコピーの認証ができるのは以下の方とのことですが、日本の場合、実質、行政書士になるかと思われます。

パスポートのコピーの認証が対応できる人

The national or local authority
    アメリカでは警察でも良いらしいです。でも日本では、対応不可。行政書士が該当すると考えられます。
An Embassy or Consulate
    通常の、駐日大使館では対応してもらえません。
A notary
    単純に訳すと公証人。でも、日本の公証役場では、対応してもらえません。なお、パスポートが本物である書類を自分で書いて、それを認証してもらうことは可能です。しかし、それでEFAがOKと言うかは未確認です。
A financial institution
    ヨーロッパでは銀行などで対応可能。でも、日本国内では無理。

パスポートのコピーの認証

手順

 (1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
(2) パスポートのコピーの認証。
 (3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
 (4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
 (5) 入金を確認する。

  一般的には、行政書士または弁護士に対応してもらうことになります。現在、web siteを持っている事務所も多いです。大都市圏では、対応してくれる事務所は比較的容易に見つかります。筆者が検索したところ、
    行政書士の場合、5,000円~10,000円、
    弁護士の場合、10,000円~20,000円
が相場のようです。通常は、行政書士または弁護士事務所に、本人がパスポートを持参します。たまに、パスポートを郵送して対応してくれるところもあるようです。ただ、万が一、失くす可能性を考えると、持参することをお薦めします。土日祝日は休みのところが多いですが、事前の予約で対応してくれるところもあります。
  筆者の場合、1件目は、メールで問い合わせたところ、返信無し。2件目にて、土日に対応して頂きました。
    パスポートのコピーの認証
    行政書士のライセンス
    費用は、計5500円 (税込み)

書類を書いて、PDFで送る

手順

 (1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
 (2) パスポートのコピーの認証。
(3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
 (4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
 (5) 入金を確認する。

  書類を書いて、カスタマーサポートに送ります。EFAが確認するので、数日待ちます。2つの書類はおおむね類似しているので、書き方は下記にまとめて示します。

DATA
項目書き方
Account No.EFAの口座番号です。Superfundのweb siteのログインIDではありません。
First beneficiary□ Second beneficiary□チェックマークを入れます。→ ☑
□Ms. □Mr.チェックマークを入れます。→ ☑
Surname/Company
First name
Residence address/Streetアパート、番地、区市町村、小さい順に記載。「東京都xxx区yyy町1-2-3 アパートA 101号室」の場合、「101 Apartment A, 1-2-3 yyy-cho, xxx-ku」
City/Zip code都道府県 / 郵便番号。東京都の場合、「Tokyo」のみでOK。「Tokyo-To」とは書かない。県でも、「Pref.」などは無くても良い。
CountryJapan
Telephone03-xxxx-xxxxの場合、「+81 – (0)3 – xxxx – xxxx」
E-mail電子メールアドレス
NationalityJapanese
Place of birth生まれた都道府県。例:「Tokyo」
Date of birthMM DD YY。2022年1月2日の場合、「010322」。
Country of birthJapan
Number of ID card/passportパスポート番号
Issued byMinistry of Foreign Affairs of Japan
Date of issueパスポートに書いてある通り
Date of expirationパスポートに書いてある通り
Alternative mailing address実家などの住所
REDEMPTION OF SHARES OF A SUBFUND OF SUPERFUND SICAV

  全部売却して、口座を解約する場合には、
☑I/We sell the entire position…
I/We hereby instruct you to redeem ☑all shares…

POLITICALLY EXPOSED PERSONS
項目書き方
Politically exposed persons自身または身内に政治家がいる場合、記載
I hereby declare …政治家にコネがある。無ければ☑No。
If Yes, …コネがあった時期。
BANK DETAILS
Account holder振り込む銀行口座名義。通常は名→姓の順にアルファベット。
Bank name振り込む銀行名。
BICSWIFTコード。各銀行に1つ。
Currency通常、アメリカドルで決済するので、USD。ユーロで投資する場合、EUR。
IBAN日本では使われていない。代わりに、支店番号3桁-口座番号7桁を記載。
例えば、支店番号001、口座番号1234567なら、「001-1234567」。
CountryJapan
Transaction authority共同名義なら選択。自分ひとりなら不要。
Business connection通常は、自分名義の口座に振り込むので、☑for my/our own account

  SWIFTコードや、銀行の英語名は、各銀行のweb siteに記載してあります。「help」とか「良くある質問」から検索できます。Redemption fromには、中継銀行の情報も、隙間に書いておくこと。Individual Data Sheetには、その隙間が無いので、記載不要。

  BICの欄に、SWIFTコードを書く
  IBANの欄に、支店番号、口座番号を書く
ことで、口座が一意に特定されます。

GENERAL INFORMATION
項目書き方
Professiondoctor, policeman,
farmer (農家),
office worker (いわゆるOL),
engineer (技術者)
Job titleCEO (偉い人),
Manager (管理職),
Specialist (多少肩書がついた人),
Technician (工場の現場の技術者)
Profession statusサラリーマンなら☑Employee
Name of your employer and country会社名, Japan
Business line会社の業種
Executed withinPublic administration 公務員
Listed company 上場企業
Small/Medium size Co. 中小企業
Multinational 多国籍企業
SOURCE OF FUNDS/WEALTH
項目書き方
Best estimate of annual regular income年収
Best estimate of total assets現在の資産
Source of wealth資産の源。サラリーマンならsavings / professional occupation
INVESTMENT DETAILS
項目書き方
Planned frequency of future investiment投資頻度の予定。今回だけなら、☑Lump sum
Expected average amount per investiment平均投資金額の予定。
Expected total amount to invest合計投資金額の予定。
Expected period …投資期間の予定。
Economic origin …投資資金の出どころ。サラリーマンならprofessional occupation
FATCA

  日本人なら一択。

☑ I confirm that I am not a U.S citizen or resident

CRS
項目書き方
CountryJapan
TIN12桁のマイナンバー
サイン
項目書き方
Date誕生日がMM DD YYなので、アメリカ式の模様。例えば、Jan. 1, 2021
Signatureパスポートと同じサイン

書類を郵送する

手順

 (1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
 (2) パスポートのコピーの認証。
 (3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
(4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
 (5) 入金を確認する。

  EFAがOKを出した、という連絡が来ます。この際に、郵便の送り先を教えてくれます。
  EMS、または、航空便+書留がお薦めです。

方法EMS船便
(定型外)
航空便
(定型外)
航空便 (定型外)
+書留、追跡サービス
価格2450円270円400円810円
日数1週間(*1)1~3カ月(*2)13日 (*3)
コメント急ぎなら最安お薦め
ルクセンブルクまでの郵便の比較。件の病気のため、日数は標準よりも多くかかっているようです。
(*1) 以前ルクセンブルクに郵便を送った際の実績
(*2) 一般的な話
(*3) 今回の実績

入金を確認

手順

 (1) カスタマーサポートに解約を依頼。申請用紙をもらう。
 (2) パスポートのコピーの認証。
 (3) (1)(2)をPDFでカスタマーサポートに送る。→ EFAでの確認待ち。
 (4) (1)(2)の原紙をEFAに送る。
(5) 入金を確認する。

  先方に書類が到着して、2週間後に先方が振り込み、1カ月後に受け取りました。

以上、おつかれさまでした。

必要な単語

英単語意味
redemptionファンドの売却。sellと言いたいことろですが。
Gyoseishoshi Lawyer行政書士。先方から、この言い方で返信がありました。他の言い方としては、Certified Administrative Procedures Legal Specialistなどがあります。
EFAEuropean Fund Administration。このファンドの資金を管理する会社。ファンドの売買に関して手広く商売をしているとのこと。
mailing address郵便で受け取れる住所。e-mailは電子メール。単にmailと言うと文意から推測が必要。

時系列

経過日数自分の対応Superfundからの返答EFAからの応答
1日目日本支社へ解約依頼のメール
6日目日本支社から返信。本社カスタマーサポートへ連絡するように。
本社カスタマーサポートへメール
10日目Redemption form, Individual Data Sheet, IDを提出するよう、返信あり。
パスポートのコピーの認証が行政書士で良いかなど質問
11日目返信あり。
12日目1件目、行政書士にメールで依頼。返信無し。
14日目2件目、別の行政書士にメールで依頼。同日返信。
15日目次の週末にアポ。
23日目行政書士にパスポートのコピーの認証してもらう。
他、書類一式をPDFで送る。
IBANの書き方が分からないので質問。
24日目返信あり。IBANには、口座番号を書くように。また、中継銀行も書くように。
25日目Redemption formに中継銀行を書く。Individual Data Sheetには、書くスペースがない。メールで指示を依頼。
27日目EFAが、行政書士が見つからない、とのこと。
google翻訳したサイトと、行政書士の検索の仕方をまとめて、PDFで送信。
31日目中継銀行はIndividual Data Sheetには不要との回答。解約書類(B)発送
IBANに口座番号を書いてPDFで送信
34日目EFAの確認が取れたので、EFAに原紙を送ること。
36日目航空便 + 書留で、原紙(A)を発送
42日目EFAから解約書類(B)到着
49日目原紙(A)現地到着
63日目解約金を送金
67日目まだ振り込まれないのでSuperfundに確認を依頼。
68日目○月×日に送金したとの返信あり。
77日目解約金の受け取りを確認

いきさつ

最終損益

  結局、ファンドの金額としてはトントンでしたが、購入手数料、送金手数料、為替手数料を含めると、ざっくり、17年間で、180万円投資して、10万円の損失でした。

2004年送金金額2022年受取金額差額
投資金額$15,000解約時(*1)$14,995.58
Superfundの手数料$675
送金手数料送金手数料(*2)$32.50
支払い合計$15,675受け取り金額$14,963.08$711.92損失
(*1)EFAから連絡があった合計金額
(*2)実際に銀行口座に振り込まれた金額と(*1)との差分。中継銀行の手数料と思われる。
郵便費用などは含まない。

背景

縦軸は1996年4月を1とした価格。各サイトのデータから筆者が編集。Suprefundは、旗艦ファンドSuperfund_Green_Q-AG。MSCI ACWI IMIはhttps://www.msci.com/ より。


  筆者が投資したのは2004年。当時は、2000年前後にITバブルがはじけて、市場はまだ低迷していました。それに対して、市場が上がっても下がっても、絶対的な収益を上げることを目的としており、実に魅力的に見えたのです。日本ではMAN社の方が有名ですが、このファンドも新進気鋭で、ある程度注目を集めていました。VTやACWIに投資するのも、一苦労する時代でした。当時の名称は、Quadriga Global Consolidated Trust Futures Fund USDと言い、以降、2,3回移管されています。仲介業者として、香港の代理店(おそらく日本人)経由で買いましたが、現在、その方とは連絡がとれず。結局、自力で解約することになりました。
  ネット上で、MAN社の解約事例は見つけましたが、このファンドの例は見つけられませんでした。2022年時点のものですが、海外のヘッジファンドに投資を検討されている方の参考になれば幸いです。また、体験談であり、実際の投資は自己責任でお願いします。

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