社内FAのすすめ
社内FAとは
今の会社を辞めたい、とその前に、検討してほしいことがあります。それがタイトル。 単純に言うと、社内での、転職活動です。会社によって、または、メディアの記事によって、書き方が異なります。このページではまとめて「社内FA」と記述します。大まかに言うと、
通常の人事異動 = 会社からの命令
異動願い = 今の上長に希望を出す
社内FA = 自ら行きたい部署へ異動の希望を出す。上長へは連絡不要。
社内で、別の仕事をしたい、別の部署に異動したいという場合、通常は自分の上長に伝えます。ただし、だいたいの場合、NGになります。
社内FAのメリット
社外への転職よりはマシ
この一言に尽きます。これ以外に、やる気のある人を集められる、人材の流動化など、言われることがありますが、言い方だけの差です。
会社側のメリット:
退職されるよりはマシ
従業員のメリット:
社外への転職よりも、挑戦しやすい
うまくすれば、必要な情報が勤務中に全て集めることができます。職場の様子を予め見ておくことができます。合格後、引っ越しを伴う場合には、会社の異動になりますので、引っ越し費用が出る場合があります。退職に伴う様々な手続き、紙が要りません。
社内FAのデメリット
・普通に落ちる
・申し込んだことがばれると、元の部署に居づらい
社内FAの申し込み先が、自分の部署の近くの場合:
自分の部署Aの上長と、行きたい部署Bの上長は、知人の場合が多々あります。同期、同じ大学、昔一緒のチームだった、など。なので、社内FAに申し込むと上長間で情報のやり取りが行われます。自分の部署の上長に異動する前にバレることになります。もしFAに合格しないと、以降、居づらくなります。
社内FAの申し込み先が、自分の部署から遠い場合:
基本的に、通常の転職のつもりで臨みます。なめていると普通に落ちます。社内FAを申し込んだ先の部署にしてみると、社外からの転職とほぼ変わらない場合もあり得ます。なぜなら、大企業ほど、他部署の従業員を把握できません。もしくは、あなたの情報を求めて、直接間接問わず、問い合わせがあり得ます。もしFAに合格しないと、以降、居づらくなります。
具体的な、おすすめの手順
行きたい先の部署を見つける
基本的に、通常の転職と同じと考えてください。
別の会社、ではなく
別の、社内の部署
に変わっただけです。まず、自分が何をするか(したいか)を決めます。そして、その部署を探します。別の会社を探すよりは、圧倒的に簡単だと思います。
行先の部署の様子を観察
行きたい先の職場を見学しましょう。社内なので、セキュリティが余程厳しくなければ、何かのついでに覗いたり、22:00頃に見に行くことも可能です。あらかじめ、ブラック度合いを把握できます。これは、社外に転職するよりも有利です。
勤務地がかけ離れていて、見に行けない場合、↓の章を先に実施します。行きたい先の部署との会議を実施することで、見学の口実を作ります。
橋渡しの仕事 = 行きたい先の部署とのコネを作る
重要なのでもう一度言います。行きたい先の部署とコネを作ります。大企業ほど、他部署の従業員を把握できません。知らない人が申し込むよりも、知っている人の方が圧倒的に有利になります。
自分の部署Aと、行きたい先の部署Cにまたがる仕事Dを作ります。日本の大企業ほど縦割り行政がひどくなる傾向があるので、どちらの部署もやりたくない、もしくは、過小評価されているけど、それが無いと仕事が滞るものが多数存在します。手を出したいと思う人が少ないため、自分の時間を週半日も割り当てれば、ほどほどの結果が出せる領域です。中小企業の場合、そもそも人手不足で、人員が割り当てられていない場合もあります。
もし思いつかなければ、共通の問題に取り組むということでも良いでしょう。
例:ハンコが多い、紙が多い、○○という作業が無駄、など
なお、これらを、解決する必要はありません。というか、これらがあることによって雇われている既得権益者が居るので、そうそう解決しません。
解決を邪魔してくる部署に対して、一緒に戦いましょう!
という姿勢を貫き続ければ大丈夫です。既得権益者 = 共通の敵と戦う、という雰囲気が醸し出されていれば問題ありません。逆に、あれもこれもと欲張ると相手先が負担になります。相手先の負担はなるべく無くしましょう。
月1回または半年に2,3回程度、行きたい先の部長に報告、相談を上げましょう。結果が無くても大丈夫です。
これから、こんな日程で進めたいので、部署Cの○○さんのご協力をお願いします。
という感じでもOKです。あくまで、コネの維持が最優先であり、問題の解決はそこまで重要ではありません。もちろん解決した方が、行きたい先の部署の印象は良くなりますが、自分の負担が増えても問題です。コスパ的に、コネの維持→問題解決の順で対応しましょう。
FA申請前に、希望先の部長と面談
募集に申し込む前に、行きたい先の部長と面談を申し込みます。あからさまに申し込むのがはばかれるのであれば、上記の結果について報告、相談させてほしいと言いましょう。報告は簡潔にして、社内FAについて、状況を聞いてみます。回答によって、ざっくり3パターン。
① 人手は足りている = 本当に足りている場合と、あなたが不要な場合
があります。どちらにしても社内FAでの転職は難しいです。
② 社内FAは受け付けている = あなたの優先順位はさほど高くありません。もしくは、あくまで従業員の一人としか認識されていません。不可ではありませんが、過度な期待はできません。
③ ぜひ来てほしい = 確率はかなり高いと見て良いでしょう。あなたより優秀な人がエントリーしてこない限りは。他部署の人なので、あなたに対して過度のリップサービスは考えにくいです。ただし、明言を避ける場合もあります。その場合、雰囲気をくみ取るしかありません。例えば、部署Cの仕事内容を、その上長がアピールし始めたら、かなりの確率で来てほしいと思っているはずです。
自分の部署に異動願い
場合によっては、社内FAの前に、自分の部署に異動願いを出します。会社によって、直接上長に申し出る場合や、申請するシステムがある場合があります。期ごとに上長と面談をする場合には、その際に伝えても良いでしょう。うまく行けば、単純に社内FAよりも穏便に済ませられます。ただし、人によっては不評を買う場合があります。これば、その上長の性格によるとしか言えません。
募集に申込
上記の異動願いが受け入れられなかった後に、出します。
なお、面接等で、普通に落ちます。通常の転職と同様のつもりで臨みましょう。特に、余程の公算が無い限り、自分から、社内FAを申し込んだことを公言しない方が良いです。また落ちても、希望と近い部署に社内FAを申し込めます。その間、今の部署に居づらくならないよう、余計な事は言わないようにしましょう。
それでは、グットラック!