スマホを取り巻く電波の利用状況を、大まかに説明します。
難しい用語を、なるべく排除し、簡単な解説の極限に挑みました。
他のサイトの記事を読んで、あきらめてしまった人でも、大丈夫!
全くの初心者の方が理解できるよう、分かりやすさを優先して、かなり簡略化します。
電波の割り当て
一般的なスマホでは、地デジは見れません。NETFLIXとかYou Tubeは無しで。つまり、電波そのものは届いているけど、その電波を拾える、拾えない、があります。逆にテレビでスマホの受信もできません。その違いは、周波数。周波数700~900MHzの範囲は、通称、プラチナバンドと呼ばれています。建物などが合っても、電波を遠くまで飛ばせるため、圏外を減らすことができます。使っている方からしても、室内や地下でいつも圏外になるのは、不便に感じます。
では、周波数が低い方が圏外を減らせるなら、もっと低い方も使えば良いのではないでしょうか。
このプラチナバンドは、携帯電話のなかでは、低周波の端に位置します。疑問に思いませんか。周波数が高い方には高いなりの長所短所が、低い方には低いなりの長所短所があるわけだから、その間が最善の答えで、価値が高い、となるはずと。
それができない理由が、この図をご覧になれば分かります。大まかな電波の割り当てを示したものです。つまり、プラチナバンドの低周波数側には、地デジがあるのです。
では、テレビをやめて、スマホにすれば良いのでは?
アナログ放送が終了して、デジタル放送になりました。この際に空いた700MHz帯を、Docomo、AU、eAccess(当時)の3社に割り当てられました。当時まだ楽天はありません。プラチナバンドの半分は、元は、このアナログ放送でした。
どこまでが「プラチナ」バンドか
では、もし、周波数を自由に使えるとして、どこまでが利用できるでしょうか。大まかに見積もってみます。
You Tubeで720pの動画を視聴するのに、快適なレートとして、2Mbit/secを基準に考えます。ここに、ノイズが乗るため、帯域幅はより広い必要がありますが、ここでは、簡略化して帯域幅2MHzとします。
(1) 周波数1MHzでは、そもそも送れません。
(2) 例えば、周波数2~4MHzを使うことになります。ポンチ絵で描くと、上図の範囲を使います。さすがにYou Tube見るだけのために、これだけ使うのは無駄に見えます。
(3) では、周波数10~12MHzではどうでしょうか。FMラジオの1チャンネル分の帯域幅は0.2MHzです。FMラジオ10チャンネル分をYou Tubeに使うかというと、これもやはり、効率が悪そうです。
(4) 周波数100~102MHzではどうでしょうか。ポンチ絵上はほぼ線です。かなり現実的に見えます。
現在700M~900MHzがプラチナバンドと呼ばれていますが、潜在的には、100M~900MHz程度が、プラチナバンドに成りえます。
5G帯の性能は?
40代の、ナイスミドルには懐かしいと思います。この単語。
PHS
1990年代後半、1Gから2Gに切り替わりつつあった時分、携帯電話は高く手が出せないけど、通信手段がほしい人にとっては、ありがたい存在でした。このPHSは、建屋内に基地局が無いと、屋内で圏外になるのは日常でした。現在、一般向けの販売は終了しました。企業が社内で使うものは残っています。
5Gのメインの周波数は、PHSよりも高周波数側にあります。つまり、
プラチナバンド → PHS → 5G
もちろん、当時からの技術の進歩はありますが、そもそもの性能は察してください。
その他
以下、参考データ。
・ You Tubeの720pは1.5~4Mbpsとのこと。→You Tubeヘルプへのリンク
なので、ここでは、2Mbpsとしました。
・ 電波の割り当て。→ 総務省HP = https://www.tele.soumu.go.jp/j/freq/
・ 帯域幅と通信速度の関係は、シャノン限界で検索してみてください。